入居企業インタビュー 代表取締役/小倉 進太郎
設立経緯について教えてください。
「語学教育で日本を変える」というビジョンで、東京でオリジナルのメソッドを活用した語学教育を17年以上行っていましたが、同じメソッドを使っても結果の出方には個人差がありました。現在の日本の課題解決と22世紀に向けた教育イノベーションのためには、個の力、つまり「パーソナル」というキーワードの必要性を痛感していました。同じ語学学習の提供に関しても、人により考え方、育ってきた環境、やりたいことの優先度などが、好奇心や学習習熟度に影響します。そのため、古今東西の海馬を中心とした脳科学の研究調査を語学トレーニングにも組み込んでいましたがもっと大きなパワーが必要と感じていました。
そのタイミングで、東京ビッグサイトの展示会で大阪大学の教授と出会ったことが、文部科学省CIOプログラム参画のきっかけになり、より本格的に脳研究がスタートし、脳波解析システム構築やそれに関連する特許出願などを行いました。初期は、教育から脳科学や脳波解析すなわちブレインテックを活用する形で捉えていましたが、現在は、脳波解析による教育を含めた社会変革への大きなインパクトと必要性を感じており、時間をかけてでもこの分野に集中したいと考えたのが会社設立のきっかけです。そして、東京の会社とは分離し、沖縄で新たに創業しました。
沖縄との関りについて教えてください。
大阪大学やimec(世界的先端半導体デジタル技術研究機関:ベルギー)と共同で脳波解析システムを作り、展示会に参加していたところ、うるま市の担当者(沖縄バイオ産業振興センター)が企業誘致で参加していました。こちらの説明を聞いて、難しい脳波解析の概念がインパクトと魅力のある沖縄のイメージで魅力的になっていく絵が見え、直感で「面白そう」と感じました。当時、脳科学に特化した新会社設立では設立資金を抑え、かつ横展開がしやすい場所として地方での設立を考えていました。
うるま市を含めいくつかの地方都市も検討しましたが、結果として、直感の「面白そう」という気持ちから、沖縄の制度を調べるうちに、経済特区、アジアとの地理的優位性、伝統文化・自然環境など脳波解析調査対象などの魅力をさらに感じ、沖縄に進出しました。ただし、うるま市の産業集積地も訪問はしましたが、現在の事業概念とのマッチングや交通利便性等の観点から、メカルヨンゴ(なは産業支援センター)に落ち着きました。
なぜ沖縄かという質問をよくされますが、今ではもう「沖縄以外に、この事業を発展させる選択肢を感じられない。」と言っています。将来的には、大学院大学と共同で研究などができる可能性があることも魅力です。
主な事業や実績を教えてください。
現在、集中力に特化した理論学習とトレーニングを行うオンライン集中力ジム事業(Dr.FOCUS)と脳波解析サービスの提供を進めています。脳波解析サービスに関しては、現在沖縄でのモデルケース創造に注力をしており、沖縄伝統文化、健康食品とのコラボレーションを行っています。
上記は、文部科学省COIプログラムにて大阪大学とimecと共同開発した脳波解析システムを応用したシステムを活用し、サービスの提供をしております。
現在取組中、今後の予定としては次のものがあります。
・2023年4月〜2026年3月まで国立大阪大学との共同研究契約締結
・特許出願中(集中力解析システム):PCT出願
・沖縄脳波解析プロモーションモデルケース作成
・沖縄科学技術大学院大学、琉球大学との共同研究契約予定(2023年度4月以降)
会社のビジョンや目標を教えてください。
弊社が行っている脳波解析サービスや実証実験などの有効性に関しては、沖縄県レベルで認知されるようになってきました。今後、教育トレーニング、また、商品などのマーケティングが「脳」の視点から踏み込むトレンドが出てきて、社会が価値を置き始めるはずです。まさに、そこに踏み込める事業を行っています。
そのため今年は、オンライン集中力トレーニングジム運営と沖縄での脳波解析プロモーションモデルケースを作ることに注力をしています。企業が持つ商品の魅力を、今までのプロモーションの仕方とは違う「脳」の視点から脳波解析プロモーションのご提供をします。
また、今年度中には教育、そして沖縄伝統文化、自然、健康食品にかかわる研究結果をまとめた論文を発表する予定です。
沖縄は脳波を高める環境が圧倒的に整っています。日本や世界中から直感的に且つ、経験則として、沖縄に行ってリラックスしたい!集中して創作活動をしたいから沖縄に行きたい!という人たちがたくさん来ています。我々の役割は、その既にあるイメージを脳波解析で科学的に証明し続けていくことです。
具体的な沖縄の脳波を高める環境は、海、森、風、風土、文化、食べ物等です。これは、日本のどの地域にもない魅力だと思います。私たちのサービスにより、沖縄の環境とワーケーションを効果的に活用できたり、他のリゾート地よりもリラックスできるエビデンスが得られれば、例えば、ホテルでのより良い過ごし方のサポートなどもできると考えています。
メカル45に入居してのメリットは?
ユニークなコワーキング機能があるので、将来は国内外の学者や関係者を集めた会合や交流会なども開催できると思います。様々な交流会も開催されていてので、私のように知らない場所・知らない土地でも、自分のやっていることを知ってもらえる機会になり、安心感をとても感じました。
会社概要
会社名:株式会社タツノオトシゴ
https://doctor-focus.com/
https://seahorse-brain.com/
設立:2022年8月2日
所在地:〒900-0004 沖縄県那覇市銘苅2-3-1 メカルヨン_ゴ410
社員数:3名
事業概要:
– 脳波解析サービス
– 脳波解析プロモーションサービス
– 脳科学教育サービス
– 脳科学メディア
– 脳科学教材開発・販売、研究開発・販売
– 脳波解析機器の研究開発と販売
– 脳波解析研究所
TEL:080-3358-5179